1. 私たちの志向性とトレーニングについて
  2. アプローチの方法
  3. どのような人たちのためのトレーニングなのでしょう?
  4. ICSBのコース・カリキュラム
  5. 技術および教育目標に関する達成度の評価方法
  6. トレーニングの内容
  7. セミナー1の学習目標とプログラム
  8. セミナー1の教育的目標
  9. 履修の認定

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International Institute for Craniosacral Balancing® は1986年以来プラクティショナーの養成を目的としたトレーニングを行ってきました。現在はバイオ・ダイナミックの原理に従ったクラニオセイクラル(頭蓋仙骨)・ワークを提供しています。これまでに育成したプラクティショナーや講師は世界中で数千人に達し、優良な教育機関としての実績を重ねてきています。
トレーニングは、緻密に、しかも階層的にプログラム構成されているため、受講者はそれぞれのレベルごとに、必要な事柄を確実に学ぶことができます。
クラニオセイクラル・バイオダイナミクスのアプローチは、人体の構造と機能を形成・維持している生命力に対する理解を基に構築されています。このアプローチは、構造(骨格)の調整だけを目指すのでなく、身体の機能の奥深くに存在している生命力を養う(活性化する)ことを目的としています。身体の営みをサポートするアプローチなのです。
私たちはこの分野で25年間にわたって研究を積み重ね、ワークを深め、それらを基礎トレーニング(ファウンデーション・トレーニング)に結実させました。
このトレーニングは、イギリス、アメリカで開催されているトレーニングと同様、本部であるクラニオ・スイス協会の認定を受けています。また、イタリアのトスカーナでは、他の養成機関と協力して課外単位を認定するカリキュラムを条例に基づいて提供しています。
私たちのアプローチはオステオパシーの創始者、ウィリアム・ガーナー・サザランド博士(Dr. William Garner Sutherland)が発見したブレス・オブ・ライフ(Breath of Life=生命の息)と第一次呼吸(primary respiration)の原理に基づいており、ICSBが提供するクラニオセイクラル・ワークは、クライアント自身が身体、心、魂のつながりを探求できるようサポートしていきます。
これは真の意味でのクライアント中心のアプローチといえるものです。



クラニオセイクラル・バイオダイナミクスは、ブレス・オブ・ライフの原理に基づいてボディーワークを捉えるアプローチです。ブレス・オブ・ライフは生命力を意味し、治癒力でもあります。具体的には、非常にゆっくりとした、コンスタントな潮の干満のような動きとして体感できますが、これが私たちを自分自身の本質的あり方(Being)、中核、内なる健康へ結び付けるのです。   この微妙な動きは深い呼吸に類似しているため、第一次呼吸(P.R.)とも呼ばれています。サザランド博士の観察によれば、この第一次呼吸の動きは全身で感知することができますが、博士はこの潮の干満のような動きに、生命体に秩序を与え組織化する原理、ボディーとマインドに内在する知性を目撃(感じ取り)しました。
プラクティショナーはクライアントの第一次呼吸に接触し、それに協力することによって、クライアントに素晴しい効果をもたらすことができますが、そのためには、精妙な知覚力、手を通してクライアントのすべてに耳を傾ける能力を、プラクティショナーが培っていく必要があります。さらに耳を傾けるときには、慈しみと親しみに満ちたハート、価値判断をしない開いた心(マインド)、静止して待つ能力などが必要です。トレーニングを積んだプラクティショナーは第一次呼吸を知覚し、それを評価とトリ−トメントのガイドとして使うことができます。
トレーニングでは、バイオダイナミックの原理と考え方が正確に教授され、大量の練習を行います。講義内容には、バイオダイナミックに基づく胎生学(embryology)、解剖学、生理学、ホリスティックなアプローチに対する研究、トラウマ解消の技法などが含まれます。これらの科目を学ぶ目的は、プラクティショナーが身体の持つ内在的健康の現れ方を認識し、それをサポートするために必要な技術を習得し、実際に提供できるようにすることです。



このトレーニングは、ボディーワーカー、セラピスト、などの専門職の方々を対象としていますが、専門職ではなくても、新たな方向性を模索している中でこの分野に興味をもたれた方、自分自身あるいはボディーやマインドに気付くことを通じて自己の探求に興味をもたれている方であれば、どなたでも役に立つトレーニングです。さらにクラニオセイクラルのセラピストでリソース志向、体液とポーテンシーのアプローチを学びたいと思われている方にもお勧めします。

以下の条件は、満たしていればさらに望ましいものです

  • ボディーに関連したセラピーを学んでいる
  • クラニオセイクラル療法を受けたことがある
  • その他のホリスティックなセラピーを経験したことがある
  • 病理学、病態学の理解があると役立ちます



ICSBのクラニオセイクラル・バイオダイナミクス・トレーニングは包括的なトレーニング・プログラムです。
コース・カリキュラムは、3つの領域から構成されています。

1) 講義
2) 実践練習
3) 独習


1)クラニオセイクラル・バイオダイナミクスのプログラム

トレーニング期間は2年以上、500時間を越えます。
内容は6つのセミナーとイントロダクションに分かれています。
(国によってはさらに細かく分かれています)


2)実践練習

  • レポート・セッションを150回
  • ケーススタディー
  • スーパービジョンを30時間
  • フィードバックつきのセッション/テュータ−による指導6回
  • スーパービジョン(監督)下での練習会
  • クラニオセイクラル・プラクティショナーから、20セッションを受ける
  • 受講生相互のフィードバックつき交換セッションを40セッション


3)独習

  • ホームワーク
  • 指定された教材を読む
  • コースの教材を使って学ぶ
  • 指定された解剖学の分野を学ぶ
    正規のカリキュラムには、セミナーの授業時間以外に行われる、
    セミナー1〜6までの間に350から400時間に及ぶ実践練習と独習が含まれます


  • フィードバック・セッション
  • 報告書つきセッション、ケーススタディー、ホームワークの結果をディスカッションする
  • レポートの評価



このトレーニングからの学びは、解剖学、科学知識、治療的な技術にとどまらず、さまざまな経験と体験、成長の機会も提供されます。受講生は全員、このワークを自分で体験します。その結果、観察と探求という2つの重要な要素を通して学んでいきます。自分の内側で、体験と理解からの学びがあって初めて、より深いレベルでクライアントと出会うことが可能になります。
トレーニングは以下のとおりです:

  • クラニオセイクラル・ワークの説明と講義
  • 内側の気付きと知覚を深める練習
  • ビジュアライゼーションと瞑想
  • ムーブメント・エクササイズとクリエイティブな表現
  • ビジュアルな教材の使用
  • セッションのデモンストレーション
  • ガイドに従って行うセッション
  • 言葉と手のそれぞれを使って行う探求と質問の練習
  • 小グループで行うシェアリング
  • セッションの練習
  • フィードバック・セッション



クライアントに触れる‐安心できる関係を結ぶ

セミナー1はリソースと、健全さの概念および健全さの追求です。
プラクティショナーの在り方を検討し、知覚力を養います。受講生は有機体としての人間が持っている本来の健康を理解し、その表れである第一次呼吸と適切な関係を結ぶために必要な技術を学びます。焦点は、人間一人ひとりの中に存在する生命力をサポートし、生命のより充実した表現を促し、肉体的であると同時に霊的な存在である私たちの可能性を開いていくことに当てられています。

内容

  • クラニオセイクラル・バイオダイナミクスの歴史と発展
  • 第一次呼吸システム、解剖学と生理学
  • クラニオセイクラル・メソッドにおけるバイオダイナミックの原理
  • ブレス・オブ・ライフの概念(生命の息吹−The Breath of Life)
  • ファルクラム(支点)とプレゼンス(現在にいること)。プラクティショナーのニュートラル(中立)
  • 安心できる関係性の中でフィールドを作り出す
  • リソース
  • 知覚力と傾聴の技術を養う
  • 健康のマトリックス(The matrix of Health)
  • 第一次呼吸とその表れ‐潮の満ち干:ロングタイド、ミッド・タイド、CRI
  • 可動性と自動性
  • 神経頭蓋
  • クライアントの身体に耳を傾けるためのポジションの基本と特例
  • ダイナミック・スティルネス




セミナー1の終了後、受講生は以下のことができるようになっているでしょう。

  • Negotiate contact and boundaries in a therapeutic relationship 
    クライアントへの触れ方の方法とお互いの間での境界線について
  • Establish a safe and respectful therapeutic environment
    安全で敬意のこもった環境を作り出す
  • Access and utilize the principle of resources to support self-regulation
    リソースへのアクセスと利用によって、自己調整の回復をサポートする
  • Practice different listening positions
    システムに耳を傾けるためのポジションを練習する(実践する)
  • Perceive and recognize health in the system
    身体に内在しているヘルスを知覚し、認識する
  • Orient and shift perceptual field
    知覚のフィールドを方向付け、シフトする
  • Distinguish the biodynamic tides
    バイオダイナミックのタイド(満ち干)を識別する
  • Support and invite dynamic stillness for wholeness and regeneration
    クライアントが全体性を取り戻し、再生するようダイナミック・スティルネスをサポートする



各セミナーを終了後、履修証明が授与されます。
全セミナーの修了後、資格の認定試験に合格した段階でクラニオセイクラル・プラクティショナーとしての認定書がInternational Institute for Craniosacral Balancing®より授与されます。

認定の前提条件

  • すべてのセミナー・カリキュラムを履修する
  • 能力と技術力の評価
  • 課題レポート
  • すべての試験に合格する

クラニオセイクラル・プラクティショナーとしての認定書は、すべての前提条件が満たされた段階で授与されます。プラクティショナーはInternational Institute for Craniosacral Balancing® の会員になることができ、Craniosacral Balancing® の名称とロゴを使用することができます。また、協会のプラクティショナーの名簿とホームページに名前が掲載されます。

クラニオセイクラル・プラクティショナーは、さまざまな年齢の人たちに、一人ひとり異なる現れかたをしている「ヘルス」に働きかけ、身体という有機体の「内なるバランス」を保つことができるようサポートしていきます。